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キンモクセイで草木染

長男の小学校の整備作業とか、月末に昇級試験の合気道の特別稽古とか、地区役員の書類作りとか・・・、ばたばたした週末を送っておりました。
と思ったらもう週半ばですね(笑)。

ばたばたしてる合間に、久しぶりに草木染をしました♪
今回は金木犀(by 植木職人の夫)。
金木犀は、山崎青樹さんの著書によると、花が終わって切った枝葉を使う、とあります。
さらに、あまり染まりは良くない、とあります。

が、せっかくたくさんあるのでね。
ためしにどんな色をいただけるのかな~?、と遊べるのが草木染の楽しいところです。
ふだん神経を尖らせながら自分で染料を調合していると、これがとてもいい癒しになるのです。

さて、では何を染めようか?
本当は黄ばんでしまった木綿の白絣が染めたいのだけど、金木犀って染まりが良くないなら、木綿はやめた方が良さそう。
急だったから呉汁処理もしてないし。。。
山崎先生の緑染めも試してみたいんだけどなあ。
これからLEO(スーパー)にアルカリ水もらいに行くのも面倒だし。。。
どうせなら若葉の時期に染まりの良いもので試してみたいし。。。

あれこれ考えて、けっきょく新古品のちりめん浜紬を一反染めてみることにしました。
本当は煮染めしたいところですが、一反12Mを煮るほど大きな鍋はありません。
家ができたら外で煮炊きできるようにし、五右衛門風呂になりそうな巨大鍋をゲットするのだ♪
でも煮染めじゃ熱くて手繰れないよね・・・。

とにかく今回は、大きめの寸胴鍋2つ分の枝葉を使いました。

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それぞれひたひたに水を入れて30分ほど煮出し、漉して2回目を煎じ、計寸胴鍋4つ分の染液に生地を入れました。

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煮立ってはいないけれど、かなり熱々です。
軍手にゴム手袋をして布を手繰りました。
1反分の生地を浸し染にするのはけっこう大変ですね。
ムラにならないよう、つねに生地を動かしていなければなりません。
年中、水元作業で布を手繰っていますので、それほど苦にはなりませんが。
今回は染まりが悪い分、ムラにもなりにくそうです。

次は、山崎先生に倣って引き染もやってみよう。
引き染ならお任せです♪

媒染は、古釘で作っておいたおはぐろ液で鉄媒染にしました。
このおはぐろ液を歯に付けると、歯が黒くなるの?
本当に?
やってみたい。。。
でもやったらきっと後悔する。。。
寝てる間に夫か子供で実験してみようか。。。
実行したことある方いらしたら教えてください♪

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上の写真、容器がすご~く深いように見えませんか?
実際は深さ20cmくらいです。
ここはお風呂場なのですが、周りのタイルや棚が映ってるんですね。
目の錯覚っておもしろい。

仕上がりはと言いますと、やはりいかにも鉄媒染~な色ですね(笑)

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色としては大好きです。
薄墨色、としてマルニがよく地色に使う色に似ています。
退色対策として、また実験台として、これからいろいろ染重ねるつもりです。

最終的には何になるのでしょうね~?
デニム着物的な単衣の普段キモノにしようか?
版を作って墨で捺したり、刺繍を入れてもらったりして、名古屋帯にしようか?
新居のファブリックに使おうか?

せっかく着尺あるのだから、単衣にしてみたいですけどね。
いちおう長浜の織りのようだけど、ざっくりふんわりしてて、非常~に膝が出そうな感じもする。。。
ま、実験だからやってみるべし!ですね♪

草木染は、普段着にこそ使いたいと思うのです。
で、Tシャツもいいのだけど、着物の形になってるとそれはまた楽しいと思うのです。
自分で染めて、飽きたり汚れたりしたら、そのまままた染め重ねたり。
それには木綿や麻の方がいいんだけど、マルニはたまたま絹が手に入りやすい。
し、とりあえず絹の扱いに慣れている。
そんなだから、絹でも冬に単衣の重ねなんかでもいいかな~と。
普段キモノは、庭で野菜を作ったり、お味噌や梅干を自分で仕込むように、自由に楽しみたいのです。

亡き祖母のように、自分の単衣くらい自分で縫えたらな~。
そういえば春から中断してた花邑さんの帯教室、そろそろ復活できるかな♪

あ、お客様の帯はぜったいマルニが縫ったりしませんからご心配なく!



~染帯*名古屋帯~マルニ友禅工房

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2012年09月12日 | Comments(2) | Trackback(0) | 草木染

夏の初めの紅花摘み

昨日の母つながりで、今日は7月の紅花摘みのこと。

父の四十九日で帰郷した際、ちょうど母の通う紅花学級の花摘みがあるというので、ついて行きました。
マルニの実家、山形県河北町は、江戸時代には全国随一の紅花の産地だったのです。
すぐ近くに、紅花資料館もありますよ♪ →★
紅花染の体験などもできます。

幕末に養蚕や茶の栽培が普及し、明治にヨーロッパから化学染料が輸入されて、一気に衰退したそうです。
が、なんとか細々と命脈を保ち、宮中や皇太神宮の式典で用いられる服装には、必ず最上紅が用いられたとのこと。
それが今また、町の花として指定され、なんとか絶やさぬようにとイベントなども行われているようです。

紅花摘みは夜明け前に始まります。
朝靄で、少しでも棘が柔らかいうちに。

とは言っても痛いこと痛いこと!
上下合羽で、軍手にゴム手袋しててもですよ!

ゴム素材なんて無い頃は、娘達が血だらけで摘んだのだそうです(> <)。
紅花摘み唄を歌いながら・・・。

でも、その景色は絵のように美しい。
手元の上記紅花資料館の冊子によりますと、

1788年 幕府の巡見使に随行した地理学者古川古松軒は、村山盆地を見下ろした印象を次のように書いている。

 この頂より山形の郷中眼下に見ゆ。
 原野大いに開けおよそ十万石もあらんと覚しき所、畳を敷きたる如き田所なり。
 この節紅花盛りにて、満地朱をそそぎたる如く、うつくしきこと何にたとえん方なし。
 かようの土地は上方・中国・西国にいまだ見当たらず。

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落ち穂ひろいみたいですね。
だんだんと夜が明けてゆき、遠くの山並みが浮かび上がってくる。
それはそれは美しい時の流れでした。
(娘達ではありませんでしたが。)

摘んだ花は揉んで腐らせて、お煎餅みたいな紅餅にして乾かして、それを京に運んでいたわけです。
最上川を下って、酒田から船で日本海を下って・・・。
米などは、そのまま南下して下関から瀬戸内海にはいり、太平洋に出ていたのですね。
海上の方が効率的だから。
でも紅は、高価で採算が取れるから、日本海から敦賀に陸揚げし、敦賀からは駄送、また船に積んで琵琶湖を渡して大津に運び、淀川を下して京に送ったのだそうです。

京からの帰り荷として、美しい着物に生まれ変わった紅花染や、それらを纏ったお雛様、さらには方言や料理法などもたくさんやってきたようです。
御所文化が雪国で混沌と煮詰められたような感覚が、幼い記憶の隅にこびりついてるような。。。

実家のお向かいには、お蔵が4つあるお屋敷の黒塀がずら~っと並んでおり(座敷牢もあるらしい・・・)、4月の雛祭りには、赤ん坊ほどもある、古いお雛様が飾られたのです。
で、子供達は、
「おひなさまみせてけらっしゃ~い」
と、お菓子をもらいに行くのです。
お屋敷の奥の奥、暗~いお座敷にぼーっと浮かぶお雛様。。。

怖かったなあ。。。
お菓子をもらってるこけしみたいな幼いマルニの写真が、なぜか今も資料として紅花資料館に飾られています(笑)。
今は雛の公開が観光化され、すっかり明るくなってますけどね。

さて現代の河北町紅花学級の皆様は、もちろん紅餅で終了ではなく、染めを楽しまれています♪
数年前、愛しの姪にマルニが被布を染めた時、中に着たのは母が染めた紅花染の着物でした。

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紅花染、マルニもやりたいのですけどねえ。
紅は皮膚疾患や婦人病にとても良いのです。
紅の長襦袢なんて、色っぽいだけじゃなくて、とっても実用的なのでしょう。
でも地元といえ紅餅がとにかく高価だし、なのにものすごく退色しやすい。
なので今のところ、母作の帯揚げやスカーフで楽しむ一方です。

そういえば!
紅花と言えば山形とばかり思っていましたが、それ以前、平安時代は、千葉県長南町で栽培されていたんですってね。
お近くではないですか♪
お寺で紅花祭りも開催されるとのこと。
来年は母を連れて参りましょう。

エジプト生まれの紅花が、シルクロードを通って日本まで辿り着き、房総でちょっと根を下ろし、また少し進んで出羽の国にしっかりと根を下ろした。。。
不思議だなあ。
文化とか、宗教とか、民族も・・・、あちこち通り過ぎてって、「ここだ♪」ってところにちゃんと根を下ろすんですね。

体に進入してあちこち行って、なぜか耳下のリンパにだけ腰を下ろす、おたふくウイルスにも似ている。。。




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2012年09月07日 | Comments(7) | Trackback(0) | 草木染

セイタカアワダチソウで陽だまりの黄色

先々週のこと、いすみライフスタイル研究所のmihoちゃんにお誘いいただいて、長生村のFARM CAMPUSというと~っても気持ちのいい場所で、草木染を体験してきました。
メンバーは、同じくいラ研のちえぽんちゃんや、BOSOピラティスのユカさんFARM CAMPUSのC文さんなどなど、興味のある人達が集まって。

FARM CAMPUSは本当に気持ちのいいところで、お天気も良くて、持ち寄りランチも美味しすぎて♪
草木染はのんびりまったり。
皆さんとのゆるやかな空気が、自然から色をいただくという感覚とすごく合っていて、とても癒されました。
カメラを忘れてしまったので、他の方のブログで見てくださいね。 →ちえぽんちゃん →ユカさん

帰りは急ぎになり、染め上がりを見られなかったので、週末にどうしても家で試したくなりました。
手近なところでセイタカアワダチソウ。
採集したのは、マルニ家新居予定地の周り。
こんなに気持ちの良いところです。

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今回は、花だけを使いました。
おなべでぐつぐつ煮て・・・

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漉してから布(絹)を浸し・・・

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入れ物は実はこれ(笑)。

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移動ができて、とっても便利!
ぜひお試しを(笑)。

今回の媒染はみょうばん。
液につけると薄いクリーム色がみるみる鮮やかな黄色に・・・。

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これは感動だわ・・・。
心が喜んでるのが分かります(笑)。

マルニの母は、実家山形でずっと前から草木染をやっています。
紅花や藍も植えて、わいわい楽しんでいるようです。
マルニは昔からそれを見てきましたが、草木染の感動は、実際やってみないと分からないものですね。

まずは帯揚げと半襟から・・・。
草木染はできれば肌に直接触れるところにこそ使いたいから、肌襦袢や長襦袢を染めようか・・・。
いずれは引き染で友禅にも使ってみたい・・・。
絞りで白場を抜いておいて、柄を入れるのもいいかも・・・。

夢は広がります♪

採集して→染めて→着る
楽しい~♪

女友禅職人、自分だって普段着物を楽しみたい♪
できるだけ心地よく。
できるだけまっとうに。

今後の展開をお楽しみに~。




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2011年12月07日 | Comments(0) | Trackback(0) | 草木染
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