今月、マルニ個人の好みでは一番気にっている帯です。

縦節があって透けの美しい長浜夏紬に、ぜんまいが織り込まれためずらしい生地。
→ヤモリと同系統の生地ですが、ぜんまいがもっと細かくランダムに入っています。
なので、横段が強調されてモダンな感じの→ヤモリに対し、こちらはもっとさりげなく、かつ工芸的な凝った味わいのある生地です。
江戸時代の名品に見られる鵜飼い文様を写し取りました。
→瓶覗き色地鵜飼い帯からの進化です。
瓶覗き色の帯を染めている時には、本歌同様藍色濃淡しか思い浮かばなかったのですが、この生地を見ていたら、墨色でやってみたくなりました。
とするとやっぱり篝火は朱ですね。
枯れたような、廃れたような、洒脱な印象の帯になりました。
それでいて格を感じるのは、古典文様のすごさだと思います。
お茶の席などにもぴったりなのではないでしょうか。
他の画像はこちらからどうぞ→マルニ友禅工房/長浜ぜんまい夏紬地名古屋帯*鵜飼い(未仕て)
~染帯*名古屋帯~マルニ友禅工房


