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少女と花籠と獅子

瑠璃紺の小振袖
続いて図案のお話です。

今回の小振袖は、上半身無地の裾模様。
背中に一つ紋が入ることで、ぐっと古風に締まります。
色留の袖が長いバージョンって感じですね。
長い分、お袖の裾にも柄を入れますよ。

現代のお振袖にしては、かなり地味な構図です。
しかも地色が紺。
しかも、20歳ではなく14歳の少女のための。

小振袖ですので、中振大振ほどの華やかさ、フォーマル感を求めるわけではありません。
明治~昭和初期の良家のお嬢様の、ちょっと改まったお出かけ着というイメージでしょうか。

けして、落ち着いた年増の風情にはしたくありません(笑)。
少女らしい可憐さはほしい。。。


当初、基本は御所解の予定でした。
伝統的な植物風景模様ですね。
御所解の定番的イメージというものはありますが、配置、大きさ、表現方法、色目などで、伝統文様というものはどのようにでも変化します。
14歳の小振袖にふさわしい御所解を描こうと思ったのです。

でもなんかもうひとつ、遊びが欲しいなあ。。。


以前、寛十胤さんに初めてお会いする前にお写真を拝見して、とても可憐で品の良いお嬢様だと思いました。
実際にお会いしてみると・・・、なんとものびのびとした生命力を感じさせる方・・・。
可憐さと品の奥に、独特の自由な感性と才気を持っておられる。

ハイジだ。。。♪ クララじゃない。。。


そんなことを思いつつむくむくと湧き上がってきたのが、唐獅子です。
マルニの定番の唐獅子は、山形の実家にいつからか分からないずーっと昔からあった屏風のイメージが元になっています。
作者も年代も分かりませんが、いわゆる勇壮で険しい獅子でなく、子供のような無邪気な感じもする、ちょっとユーモラスな獅子でした。

そうは言っても、唐獅子といえばその筋の姐さん的イメージもありますね。
14歳の小振袖にってどうなんだろう?
でもきっと、寛十胤さんなら無邪気な笑顔で軽く従えてしまうはず。。。
前には描かず、後ろに二匹。。。
寛十胤さんの後ろを戯れながら追っかけてるみたいに。。。

私の中では決まっていたのですが、なにせ獅子なので、和楽器など他の選択肢とともにお伺いしてみました。
OKです♪
さらに、今年の舞初めは、寛二郎さんとともに「獅子の乱曲」だったとのこと♪

さっそく御所解の中で獅子が戯れる図柄を描き始めました。

できたんですけど・・・、どうもしっくりこない・・・。
悪くはないのです。
でも、どうしても御所解の持つ雰囲気が、高尚すぎる?
14歳ならではの可憐さ、小振袖ならではの愛らしさ、微妙なカジュアル感が出ない・・・。

そうしてだい~ぶ時間が経ってから、突然ふと思いつきましたのが、花籠です。
もとは国立博物館所蔵(たしか)の江戸時代の名品。
こちらはマルニが弟子入り時代にそれを模写したものです↓

hanakagomosya_1.jpg



舞い散る花籠と、戯れる獅子。

こうなると一気です。
配置やバランスは必然的に決まってきます。
もう少し余白が欲しいかな~?とも思いましたが、気姿を考えると上半身の余白が十分にあるので、裾にも余白が多いと年増の粋が出ちゃうかな?とか。

そして図案完成。

kofurisodezuan_1.jpg


マルニは、カジュアルな染め帯では、伝統文様でないものもよく染めます。
デッサンからおこしたり、イメージをデザイン化したり。。。
でも、あるていど格のある着物姿には、伝統文様ってやっぱりマルニは大好きです。
伝統だけが持つ、古典の凄みが大好きです。
その力をお借りして、生かして、繋いでいくということ。

精進してまいらねばと思います。




~染帯*名古屋帯~マルニ友禅工房

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