
今年の初め、親戚の結婚式用に染めたものです。
生地は一越。
地色は、平安時代の赤黄色を呼ばれる色を目指しました。
茜と刈安をかけあわせていたと聞いた記憶があります。
いつか実際に草木染で試してみたいですね。
模様は、疋田の波を背景に鞠と唐獅子。
裾模様に一つ紋です。
色留にしては軽いし、あえて言えば、格が高めの付け下げというところでしょうか。
留袖や訪問着、振袖などの絵羽模様の場合、ふつうは白生地をまず下絵羽(着物の状態に仮縫い)し、下絵を描いてから解いて、反物の状態に戻してから作業に入ります。
それを省略し、反物のまま寸法をはかり、着た時に柄が上向きになるように柄付けをするのが付け下げですね。
その場合は、縫い目の細かい柄合わせができないので、飛び柄になるわけです。
こちらは付け下げの技法ですが、疋田の波をだいたい繋げることで、なんとなく絵羽模様に見せています。

帰った後の写真なので、しわしわですね。



最初は、30代最後に濃い目のピンクの色無地を着るつもりでいたのです。
でも、神社に電話をしてお話しているうちに、“なんか場違いかも・・・”という気が。
で、裏葉色の色無地を地味に着ようかと。
そして、玉崎神社は場所が分かりにくいとのことだったので、前日に一度伺ってみて、また変わりました。
緑に包まれた静寂の場に立ってみたら、“あ、あの色にしよう”と。
小物は白、即決です。
形式にとらわれるのではなくて、“場”と“自分の気持ち”がぴったりと合わさるところを見つける。
自己満足かもしれませんが、“これだ♪”と思えたりすると楽しいですよね。
~染帯*名古屋帯~マルニ友禅工房


