本金箔が足りなくて遅れていた「雛」。
本金砂子(金の粉)を蒔いた上に、実物にならって立体的に盛り上がる金線で模様をつけています。
金加工の存在感が強いぶん、全体的にガチガチに作りこまず、ところどころにゆるい〝抜け”がある感じを目指しています。

前部分は、関東巻きと関西巻きで2パターンの模様を締められます。

桃の枝と、、、

貝合わせ。
この高貴なお遊びは、一対のはまぐりはその貝同志でだけぴったりと合い、他の貝と合わさることがないということから、結婚関係や桃の節句、お嬢様のものによく用いられる文様ですね。

それから、「うぐいす」2パターン。
時期的にはまったく急ぎではないのですが、ちょうど沖縄行きの「うぐいす」を染めたばかりだったので。。。
こういう柄を久しぶりにやると、〝くちばしの付け根は、目元は・・・、どんなだっけ?”と、実際にイメージを取り戻すのにとても時間がかかるのです(^ ^;)
こちらは、着付け教室わのわの林さんからのご注文。
紬に地色は桜ねず、梅のイメージを地色で表す感じで・・・と。
さすがの感性ですね(*^ ^*)
写真が悪くて分かりづらいのですが、灰桜よりさらにグレーに近い色目です。
彩度が低くても、暗いもったりした感じでなく透明感がほしかった。
なのでぎりぎりまで薄くし、パープル系とブルー系の染料を少しずつ調合することで、キレイな桜ねずを目指しました。

今までの「うぐいす」ではポイントに金線を入れていますが、こちらは紬なので金は使わず。
そのぶん動きが弱いので、極細の薄墨で輪郭をとったり、梅の匂い(めしべ、おしべ)に軽く雲母を入れたり、だーれも気づかないようなところにマニアックにこだわっています(笑)

こちらは塩瀬の香色地。
赤みがかった上品なベージュです。
マルニは個人的には、ベージュは赤寄りでなく、砂色や利休白茶のような渋い感じが好みです。
が、以前この柄を初めて染める時に、なぜか赤みの香色がぴったりな気がしたのでした。
今までは梅の織柄の生地に染めていましたが、塩瀬も良いですね!
甘さが抑えられて、端正な表情に見えてきます。


しかし写真が悪い。。(> <)
自分で言うのもなんですが、実物はもっとずっと良いんです♪
~染帯*名古屋帯~マルニ友禅工房


