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謹賀新年

あけましておめでとうざいます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

またすっかり間が空いてしましましたが、新年恒例(?)ブログをしっかり更新しようかと懲りずに心を新たにしております♪

酉年にちなんで、少し前のことですが、お客様の紬の色無地に合わせるための八掛と帯のお誂えのご紹介です。
その色無地は、梅の樹皮で染められたという、淡くて優しいとても美しい地色の紬でした。
そして、地模様もなんとも味わいのある。。
その草木染色無地のお着物に合わせて、梅の枝の八掛と鶯の帯をご希望とのご注文でした。

八掛は、

勅なれば いともかしこし 鶯の 宿はと問はば いかが答えむ      

の歌にちなんで、
「花も葉もない梅の枝に文を結んでほしい」
とのご依頼でした。
花の無い梅の枝、、、染めたことがありません。
花の付いた梅の枝なら、私の中でほとんど定型化された文様として数えきれず染めてきましたが。
梅特有のごつごつした老木の枝なら花が無くても梅らしさを出しやすいですが、お客様のご希望はふんわりとさりげなく、優しげな枝でした。
そう描いてみると、何の木が分からない枯れ枝のようになってしまう。。。
八掛ならではの縛りもあります。
歩いてちらっと見えるような位置に、そうして見えた時にバランスの良い構図で、しかも縁のぼかしにかかった分はあまり見えない。。

途中でようやく気づきました。
そういえば、花と葉が無いと言っても、2つの季節があり得る。
花が落ちて新緑が芽吹く寸前の春か、もしくは蕾が膨らむ寸前の秋冬か。
どちらの季節かで、印象がだいぶ違ってきます。
伺うとお客様のご希望は、花と希望を内に秘めた秋冬の枝でした。
ならば、小さな花芽にわずかに紅を入れると、ぐっと表情が出てきます。

次は文。
こちらも文様として定型化されていることもあり、私が最初に描いたのはだいぶかっちりとした文でした。
もっと柔らかく、とお客様のご希望を伺っても、なかなか自分の定型から抜け出せず。。
しまいにお客様が自ら手描きのスケッチの画像を送ってくださり、それを拝見して、ああ!そういうことね!と一気に納得したのでした。

打ち合わせの時、お客様によっては、作り手としての私にお気遣いくださって図案の訂正をご遠慮なさっているように感じることがたまにあります。
お誂えでなく自分の作品として制作する場合はもちろん私の自由に染めます。
が、せっかくのお誂えならば、ご納得のいくまで何度でも、何でもご遠慮なくご希望をお伝えいただくのが一番ありがたいです。
私は私で染め手の立場から、
「こういう理由でそれはやめた方が良いと思う」
「他にこういう方法もある」
などなど、遠慮なく申し上げます。
そうして打ち合わせを重ねて染めあげると、私だけの中にはけして無かった新しい染に出会うことになります。
生前の大師匠の、
「昔の職人は着道楽のお客に育てられた」
という言葉を思い出します。
ご健在の合気道師匠の、
「丹田で人に向かう、肚を開いて人に向き合う」
という言葉も思い出します。

そして、この八掛には、勅なれば、、、の歌と、もうひとつ別のテーマがありました。
幼い日のお客様が、今は亡きお母様と行った思い出の梅園。
そして、病気によって全伐採となってしまった梅園。。
(余談ですが、造園家高田宏臣さんが診てくだされば良いのに。。T T)
お客様にとって梅の木は特別なものであり、だからこそ梅染めのお着物をもとめられ、それに合わせた八掛と帯をご注文くださったのでした。
色褪せた、けれど色あざやかな、思い出の梅園のお写真もお送りくださいました。
そのお話を伺って、具体的に何かを染めに落とし込めるか?というと、そう簡単にはいきません。
ただ最初から最後まで、私はそのイメージの中に浸っていました。
そして、最後の仕上げに結び文のアウトラインを薄墨で入れた時、ふと湧いてきた思いがありました。

この文を開けたら、何が書いてあるんだろう?

私には、それを読むことはできません。
でもきっと、始めから書かれていたものが、そのままここにあるように感じました。
なぜなら、私はたぶん邪魔をしていないから。
お誂えの時に無意識に透明になろうなろうとするのは、こういうことなのかなと漠然と感じました。

matsuzakisamahakkake1.jpg

matsuzakisamahakkake2.jpg


帯は鶯。
生地から選んでいただき、地色も吟味し。
前柄には、やはりお客様が自らのスケッチを送ってくださったのを参考に、もやもや~とした梅園の遠景を染めました。

matsuzakisamaobi.jpg


たまに書くと長くなりますね(^ ^;)
お誂えでは、だいぶお待たせしてしまうこともあり、本当に申し訳ありません。
ひとつひとつ、向き合っております。
そして今年は、自身の新作ももう少しコンスタントにお見せできるようはりきっております。

本年も、マルニ友禅工房をどうぞよろしくお願いいたします。
皆さまも幸多き一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。


マルニ友禅工房 鈴木三千絵

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