今の季節にぴったりの、桜の帯と藤の帯のご紹介です。
両方とも、花には色を入れずに胡粉ぼかしの白だけ。
ピンクの桜、紫の藤も華やかできれいですが、友禅染の場合は特に、白だけの花も好きです。
凛として、気品が出るように思います。
藤の花にも丹念に胡粉ぼかしをほどこしましたが、残念ながら小さすぎてよく分からない・・・。
胡粉ぼかしとは、白の濃度の違いでぼかしを出すこと。
何も染まっていない生地のままの白と、胡粉を塗って艶の消えた白とでは、質感がずいぶん違います。
それを利用して、白の濃淡を表すわけです。
すると、白い花びらの透明感が出てきます。
実際にお太鼓に締めると、角度や光線によって胡粉ぼかしが際立ち、派手ではないけれど印象的な美しさが生まれてくるように思います。
東京近辺の方はぜひ、花邑目白店さんで実物をご覧くださいませ。
4月2日(金)~4日(日)の催事“更紗の魅力”展も面白そうです。